ローコスト住宅の寿命が短いって本当?長持ちさせるコツや注意点

家の解体

ローコスト住宅の購入を検討をしていると、気がかりになるのはその耐久性ではないでしょうか。

価格が安いため、ローコスト住宅は性能や耐久性が悪く寿命が短いのではないかと心配ですよね。

また、将来にメンテナンスをするコストも考えると、ローコスト住宅への不安は尽きません。

この記事では、ローコスト住宅の寿命が本当に短いのかをご紹介します。他にも、家を長持ちさせるコツや注意点もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

10年、20年後は大丈夫?ローコスト住宅の寿命

ローコスト住宅は一般的な注文住宅よりも低価格のため、予算に都合があっても手が届きやすくなっています。

しかし、安いものは長持ちしないイメージを持ちやすいため、10年、20年後も安心して暮らせる家なのかという点が検討の際に悩むポイントです。

まずは、ローコスト住宅の寿命となぜ長持ちしないと言われているのかその理由についてご紹介します。

ローコスト住宅と通常の注文住宅の寿命の違い

値段を抑えた家だからこそ、耐久性は諦めなくてはいけないと考えていませんか。

実は、一般的な注文住宅でもローコスト住宅でも、建物の耐久年数に差はありません。

それぞれの耐用年数を確認してみましょう。

住宅の構造耐用年数
木造住宅30年ほど
鉄筋コンクリート住宅50年ほど

耐久性に優れた住宅では、耐用年数が90年という場合も。

また、ローコスト住宅でも基準を満たしていれば、税金の優遇措置が受けられる「長期優良住宅」として認定を受けられられます。

長期優良住宅の認定基準の一つが、数世代にわたって長く住めること。

何十年も安心して住めるローコスト住宅もあるので、一概に値段が安いと寿命が短いわけではないと言えますね。

ローコスト住宅はすぐに寿命を迎えるというイメージが強い

耐久年数が一般的な注文住宅と同じなのに、なぜローコスト住宅は寿命が短いと言われてしまうのでしょうか。

それはやはり、安い物は質が良くないというネガティブなイメージによるものが大きいと言えます。

また、ローコスト住宅が世の中に出回り始めたころに、欠陥住宅が社会的な問題としてメディアなどに取り上げられたことも「ローコスト住宅は寿命が短い」と言われている理由の一つです。

できるだけコストを削減するために、一般的な注文住宅より工期を短くして人件費を抑えています。

会社によっては、費用削減のために現場の監理不足になるほど無理な価格で売りに出していることも。

安心して暮らせる家を建てるためには、会社選びは価格だけで判断せずに色々な面で見ることが重要だと言えますね。

家の寿命はこれで決まる!3要素

家の寿命は、建築費用で左右されるものではありません。

ここでは、家の寿命が決まる要素についてご紹介します。何が長持ちする家となるのか見てみましょう。

建材の耐久性

建材そのものの耐久性は家の寿命に大きく影響します。

質の悪い建材では、木の腐食や白アリの被害によって骨組みがボロボロに。構造が弱ってしまっては、安心して暮らせません。

安心安全に暮らせる長寿命の家にするためには、建材の耐久性が大切です。

硬く水を含みにくい性質のある建材は腐食や白アリの被害を受けにくいことを知っておきましょう。

耐久性のある建材を使用した住宅が建てられる会社を選ぶことも、長持ちする家になるポイントですね。

建築作業の質

耐久性のある建材を使っていても建築作業の質が低ければ、長寿命の家は手に入りません。

施工業者の作業の質も家の寿命を左右します。高い値段の家でも手抜き工事や施工ミスをされてしまっては、寿命が短くなります。

長寿命の家にするには、良い施工を行う業者と出会うことが大切です。

気になる建築会社との相談を通じて、安心して任せられると思えるような業者を探しましょう。

定期的なメンテナンスの有無

家は建てた後、何も手入れをしなければどんどん傷んでいきます。

定期的なメンテナンスを有無は、家の寿命を左右する要素です。基礎や外壁は自分の目で確認するのが困難な箇所のため、プロの目で定期的に点検を受けましょう。

点検で何か問題が見つかれば、早めに修理をすることで、後々の大きな出費を避けられます。

小さな修理は少額の支払いですが、大々的なものになると家計を圧迫してしまうほどの出費に。

家の寿命だけでなく家計のためにも定期的なメンテナンスは必要です。

注文住宅の劣化・修理の例

ここで、具体的に寿命といっても、どういった状態になるのかをイメージしておきましょう。

将来必要な修理やリフォームの内容を知っておくことで、より良い家を建てることができるようになります。

たとえば、下記のとおりです。

  • 外壁塗装が剥がれてきてしまった
  • 屋根が劣化し、台風で屋根が一部落ちてしまった
  • 排水口の流れが悪くなってしまった
  • 床が一部傾いてしまった

こういった劣化が築20から30年ほど経つと起こる可能性があります。

ローコスト住宅を長持ちさせるためにできるコツ

せっかく建てた家を少しでも長く住めるようにしたいですよね。

最後に、長寿命の家にするためのコツをご紹介します。建築前と住み始めた後の2つの面でポイントをチェックしましょう。

建てる前にできること

内装や設備は古くなってもリフォームなどで新しくできますね。

しかし、家の構造に関わるものはそう簡単に変えることはできません。

長寿命の家にするには、建てる前から家の寿命に関心を持つことが重要です。

建材にこだわる

家を支える大切な構造は目につかない場所だからこそ、建材にこだわりコストをかけて家づくりをしましょう。

白アリが好まない木材や湿気対策をした断熱材などにこだわることで、家の構造が傷みにくくなります。

少しでも寿命が長い家にするために、内装や設備よりも使用される建材に着目してくださいね。

点検やリフォームを考えた作りにする

長持ちする家にするためには定期的な点検が欠かせません。

点検がしやすい設計にしていると、こまめにチェックができるので家の寿命を延ばすことができます。

家を建ててから20年、30年建つと家族構成の変化などからリフォームを考えることも。

将来のことを考え、リフォームをしやすい間取りにするのがおすすめです。

営業担当者に、今後の暮らし方について「バリアフリーにしたい」や「子世帯との同居するかもしれない」などをぜひ伝えてみてください。

家を建てる際にリフォームのことを考えた間取りにしておくと、建て替えをせずに済みますね。

居住中にできること

家の寿命を延ばすために、住んでからも注意するポイントをチェックしてみましょう。

住み始めた後も日々の積み重ねで、長寿命の家にできます。

家の異変を早期に発見し対処する

家の異変に早い段階で気付くためにも、こまめな掃除をしましょう。掃除を欠かさずにすることで、小さな異常に早く気付けるのです。

対処できないほど傷みが進んでしまっては、家の構造自体にも影響を与えます。

異変は早めに発見して、家の寿命を延ばしましょう。

空き家状態にしない

人が住んでいない空き家は、手入れができないため住んでいたときよりも劣化のスピードが早くなります。

転勤や海外赴任などで数年間家を空けなくてはいけないとき、次に住むときまでそのまま空き家状態にするのはおすすめできません。

定期的に戻って家の管理をしたり空き家の管理業者に依頼をしたりして、手入れをするようにしましょう。

家の寿命は値段によって変わらない

1000万円ほどで建てられるローコスト住宅は値段が安い分、長持ちしないのではないかという不安が頭をよぎってしまうものです。

しかし、家の寿命は値段によって変わるものではありません。

ローコスト住宅の寿命についてまとめました。

  • 一般的な注文住宅でもローコスト住宅でも寿命に大差はない
  • 建材や建築作業の質、定期的なメンテナンスで寿命は変わる
  • 建材にこだわったり点検をしやすい構造にしたりして家の寿命を延ばす

ローコスト住宅を扱う会社はたくさんあり、どこに依頼しようか迷いがちです。まずは、建築会社の資料請求をして比較することから始めましょう。